近未来の鉄道の乗り方を体験してみた

近未来の鉄道の乗り方を体験してみた

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素藻掻電雑記集団
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Technology
Published
June 15, 2025
どうも 世の中の最先端は追わないくせに、鉄道技術だけは追おうとするSumögåsbordです。
 
今回は別府から広島までとても近未来な乗車方法で行ってみたいと思います。 しかも「紙のきっぷもICカードも使わない上にお得に行く」ということをやっていこうと思います。
 
ちょいと前に「JR九州がQRチケットレスサービスを導入した」ということを取り上げましたが、それを実践した上に新幹線のインターネット予約サービス「エクスプレス予約」でもQRチケットが使える方法を発見しましたのでご紹介いたします。
 

まずは予約

チケットレスですので、もちろん駅に行く必要はありません。 自宅で予約→決済→きっぷの受け取りができます。
今回はスマートフォンで完結できますので、実際にスマートフォンの画面を用いてやってみます。
んで、別府駅から広島駅まで全区間を通しできっぷ購入することが可能ですが、それでは高くなってしまいますし、QRコードでは乗ることができないので、今回は「ソニック号」と「新幹線」をそれぞれ分けて購入していこうと思います。

JR九州・ネット予約でソニック号を予約

ここは以前紹介したので、さらっと流します。
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まず、JR九州アプリを開いて画面下中央に表示されている「列車予約」をタップ。 すると、画面のちょっと下の方に列車の時間を検索する画面が出てきます。
今回は別府駅から小倉駅までを予約しますので、出発駅を「別府」、到着駅を「小倉」にして乗りたい時間を決めて「検索する」をタップします。
すると、列車の時間・行程を表示してくれますので、お好みの列車を選んで、座席を確保したければ🈯️を、自由席で行きたい場合は「自」を、お金持ちはグリーン席のマークをタップします。 ※自由席は選択した列車以外も同じ区間の自由席がある列車なら乗車可能です
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続いてきっぷの種類を選択します。 今回、QRチケットで乗車するので「九州ネット早得3」もしくは「九州ネットきっぷ」を選択します。 今回は前日に行くことを決めたため「九州ネット早得3」は使えませんでしたが、本当はそれを選ぶとさらに安く行くことができます。
続いて座席位置を選びます。 「座席表から選択」を押すと空席状況を確認できるのでオススメです。
選択が終わって片道の利用であれば「次へ」を押して次へ進みます。帰りも利用するのであれば「帰りのきっぷも予約」を押して最初と同じやり方で帰りの分も予約します。
それが終わると乗車方法の選択へ。 今回はQRチケットで乗車しますので、当然ですが「スマホでQRチケット乗車(きっぷの発券不要)」を選択します。 なお、初期設定でQRチケレスになるよう設定されているので、「次へ」を押すだけで結構です。
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そして、お支払い方法の選択へ進みます。 QRチケットはクレジットカード決済限定ですので、登録したクレジットカードを選択します。
最後に予約確認をして「購入(決済)する」をタップ
クレジットカード会社からの本人確認が終われば、予約は完了です。

EX予約「行こっか!こだま」で新幹線を予約

今回、エクスプレス予約で購入するのは通常のきっぷではありません。 「通常のきっぷ」とはなんぞ?と思われるかもしれませんが、通常のきっぷとは
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アプリをログインしてすぐに表示される「新幹線予約」のボタンから予約したきっぷのことを指します。 これらは、新幹線のきっぷのみを購入するもので、分かりやすく例えると「インターネット上にあるJR駅の『みどりの窓口』に行ってきっぷを買う」という感じです。
こちらから予約すると、きっぷの受け取りを事前にしたり、交通系のICカードの登録・利用が必須になります。今回はそのような旅をしない上に、小倉→広島の利用ではお得ではないケースとなるので使いません。
今回予約するきっぷは、そういうものとは違って「EX旅パック(新幹線+宿泊)」というボタンから予約します。 先ほどの「新幹線予約」のボタンと違って、列車の予約だけでなく、ホテルの手配もまとめて行うもので、分かりやすく例えると「インターネット上にある旅行会社の店舗に行ってきっぷやホテルを同時に手配する」といった感じのものです。
 
んで、今回はこの「EX旅パック」の宿泊なし・片道利用のプランとして発売されている「行こっか!こだま」を使って乗っていこうと思います。 こちらで予約すると同じエクスプレス予約のアプリでも、なんとQRコードで乗ることができます。これは旅行会社の商品か外国人向けのEXサービスでしかQRコードが発行されないそうなので、貴重な体験かもしれません。(※交通系ICカードを指定して乗車することも可能)
ただし、名の通り「こだま号」しか乗れません。 もちろん、東海道・山陽新幹線で一番早くて停車駅も本数もの多い「のぞみ号」には乗れません。 早く目的地に着きたいとお望みの方や時間が決まっていない人には向いていません。 「こだま号」は各駅に停まる上に本数が少ないので、その点は気をつけましょう。
また、先述の通り「旅行会社が発売している」という特性上、変更や払い戻しが通常のきっぷとは大きく異なるということに注意しなければなりません。
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まず、「EX旅パック」を選択します。 すると、ブラウザアプリが起動し、専用のウェブサイトに自動で飛びます。この際、ログイン状況も引き継がれます。
その後、「片道・日帰りプラン」を選択し、「出発日」などの必要事項を入力して検索…
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すると、「行こっか!こだま」の予約ページに飛ぶことができるので、あとは列車を入力したり、利用者の情報などの必要事項を入力すれば予約が完了します。 決済はエクスプレス予約/スマートEXで登録されているクレジットカードで決済されます。私の場合、EX-ICカード欲しさに「JQ CARDエクスプレスカード」を契約しているので、問答無用でそちらから決済がされました。
※入力場面は個人情報の量が多かったので、イメージ画像は割愛します。
予約が完了して暫く経つと、EXアプリの予約一覧に予約した列車の情報が表示されるようになります。

ここで注意事項

これらのQRチケットサービスはそれぞれで注意しなければならないことがあるのでご紹介いたします。

JR九州・ネット予約の注意事項

⚠️
  • スクリーンショットや紙に印刷するのは厳禁 予約変更した際や改札入場後などにQRコードやその周りのデザインが変わるので絶対にしないように。

EX予約「行こっか!こだま」の注意事項

⚠️
  • 利用前日までに購入する必要があります。 当日に購入することはできません。
  • 旅行会社が発売しているきっぷなので、JRの駅員はきっぷのことについてはほとんど知らないそうです。 何かあれば、「EX旅のカスタマーセンター」に聞いてみましょう。
  • 予約後の「日付の変更」や「列車の変更」など、座席の位置以外は変更ができません。予約操作時は十分注意しましょう。
  • 自由席の利用もできません。指定した(された)座席を必ず使いましょう
  • 原則、途中駅からの乗車・降車はできないのでそれも気をつけましょう

共通の注意事項

⚠️
  • 新幹線⇄在来線ののりかえ改札口は利用ができません QRチケット利用時は、新幹線・在来線それぞれの改札から出入りする必要があります。
  • 支払いはクレジットカード限定 ソニック号の予約はクレジットカードが無くてもできますが、新幹線の部分はクレジットカードが必須となっております。クレジットカードをお持ちでない方は、同省もないので通常(定価)のきっぷを予約しましょう。

乗車当日

以下のことをしっかりとしていれば大丈夫です!
  • スマートフォンの充電をしっかりとしておく モバイルバッテリーもあるとさらに良いです!(ソニックやこだまに使用する車両がコンセントのある座席が少ないため)
  • スムーズに通信できるようにする 通信制限などで通信が遅くて改札口でモタモタしないようにしましょう
  • 事前にアプリを立ち上げておく さらにスムーズに改札を通過できるので、乗り換え時間が短い時は特におすすめ
 

実際に乗ってみる

おはようございます。 先ほどのことを実際にやってみます。
ちなみに、乗車録ではなく「利用方法を紹介する」という目的の記事ですので、どこに何があるかとか列車内のサービスはどんなものかとかはまたの機会に…(紹介するとは言っていない)
 

JR九州・ネット予約の出番

まず、別府駅から小倉駅に行ってみましょう。
改札に向かっている導入でQRチケットを用意します。 一人だけであれば、JR九州アプリを開いて「乗車準備」をタップすればすぐに出てきます。 ※複数人であれば「予約確認」を押して「全員分のチケットを表示」を押せば出てきます。
 
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別府駅にはQRチケレス対応の自動改札機が設置されています。 緑色の改札機(通路)が目印となっています。
QRチケレスのサービス開始初期に導入された改札機は水色のラッピングとなっていましたが、別府駅のような後発の駅では緑色のラッピングとなっています。そのうち、緑に統一されるのでしょうか?
余談:今まで別府駅は係員がいる改札通路にしか簡易読み取り機がなく、自動改札機では使えませんでしたが、5月下旬にQRチケレス対応の改札機(日本信号・GX-8)に交換されたとのこと。もしかしたら、そもそもの自動改札機の導入時期が遅かったのが災いしてしまったのでしょうか?
 
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QRコードを改札機の読み取り部にかざすと「ピロロロロン⤵︎」と音がなるので、改札機を通過して中に入りましょう。 改札機通過後はQRコードに変化はありませんが、QRコード右上にあるリロードのマークを押すとQRコードの周りが緑色になります。これが完全に入場ができた証です。
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ホームに上がり、列車に乗りましょう。 今回乗ったのは883系のソニックでした。
列車に乗ってしばらく経つと車掌がきっぷのチェックに参ります。 自由席はその際に先ほどのQRコードを見せましょう。 指定席・グリーン席利用した場合は、車掌が手持ちのタブレットで座席の利用状況をチェックしているので、利用している座席に間違いがなければ何もチェックされません。
注意事項のところで「スクリーンショットや紙への印刷は厳禁」と書いたのは、ここで車掌はQRコードの周りの色が緑になっているのと偽造防止用のアニメーション(列車がくるくる回っているイラスト)が動いているのを確認されるためです。
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これは以前の記事から持ってきた画像ですが、利用状況がわかりやすく表示される仕様になっているので、(恐らくですが)スクリーンショットや紙に印刷していると注意を受けると思います。気をつけましょう。
車掌のチェックが済むと、後は小倉まで何もすることはありません。 小倉に着くまで私はこの記事の下書きを書いていました。

小倉駅でののりかえ

小倉駅に着いたら、足元・頭上の「新幹線」の案内を一切無視して在来線改札口から外に出ましょう。
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もし、新幹線とののりかえ改札口へ進むと「この先ではQRチケレスは使えない」とかなりの圧で警告されるので気をつけましょう。
おそらくできない理由としては、技術的・物理的に2つのQRコードを処理するのが難しかったり、改札がかなり混雑してしまうからだと思われます。(※実際に簡易読み取り機時代の別府駅中央改札では有人通路がかなり混雑していましたし…)技術上できなければ、仕方ありませんね。
在来線改札口で入場と同じようにQRコードを読み取らせて、改札から出たら、新幹線の改札口へ向かいましょう。 在来線改札を出て右側、JR九州のみどりの窓口の先にある階段・エスカレーターで1階下れば着きます。
新幹線の改札に向かう道中にJR九州アプリを閉じて、EXアプリを立ち上げて新幹線のQRコードを表示しておきましょう。
 
 

EX予約「行こっか!こだま」の出番

新幹線改札口では、一部の通路でQRコードを使うことができます。 改札機の使用可能を表す「←」の下あたりに「QR」と書かれたステッカーがあるので、それが目印です。
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画像のようにQRコードを表示して改札機にかざしてみましょう! EXアプリは本人確認や注意事項が表示される仕様なので、できれば早めに出しておきましょう。
QRコードの読み取り用カメラは、交通系ICカードやEX-ICの読み取り部の真ん中にありますので、そこにQRコードをかざしましょう。なお、読み取りはICカード優先で設定されているせいかちょっと読み取りに難がありました。JR九州のQRチケレス用改札機とは違って、ICカードとQRの読み取り部が一緒になっているせいか、どっちも読み取ろうとしてしまうみたいのなので、モバイルICOCAなど入れてたら気をつけましょう。
読み取りができれば、「EXご利用票」というきっぷ代わりの紙が出てきます。 取り忘れると入場が完了できていないということになる恐れがあるので、これまた面倒ですが必ず取りましょう。(受け取り任意制にしてくれ…)
※個人情報などは消しゴムマジックで印刷ミスかのように加工しています
※個人情報などは消しゴムマジックで印刷ミスかのように加工しています
あとは予約したこだま号に乗りましょう。 新幹線ではサーバーで予約状況や利用状況をチェックしているせいか、車掌がきっぷを確認しないので、ソニック号以上に広島に着くまで何もすることはありません。 写真さえアップロードすればいいところまで、記事を書いてしまいました。
 

本当にチケットレスで着いちゃったよ!広島

本当にチケットレスでかつお得に広島に着きました。
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広島駅の新幹線改札口では、すべての改札機がQRコードに対応している訳ではないみたいですが、外国人観光客向けのEXサービスの利用率が高いせいか、ラミネートした紙でIC部分を隠して作ったようなQR専用改札口ができていました。 なんちゃってQR専用とはいえ、乗る時と同じように改札機にQRコードをかざせば、外に出ることができます。
これですべての完了です!

さらにQRで乗る

広島には「MOBIRY DAYS」という交通系QRコードアプリ/現物ICカードのサービスがあります。これを使えば、広島電鉄系の乗り物で10%OFFの割引が受けられる上にスマホだけで完結するというメリットがあります。
このアプリを使って江波まで行って「陽気」さんの中華そばを食べてきました。
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んで、どれぐらいお得だったの?

今回の移動でどれぐらいお得だったのかをみてみましょう。
今回使用したきっぷ
通常の金額
合計金額
10,260円 (3,450円+6,810円)
12,530円
2,270円 おトク!
※参考※ 「早特3」を使用した場合
9,710円 (2,900円+6,810円)
12,530円
2,820円 おトク!
なんと、2000円以上お得になりました! 広島駅構内でお好み焼きを食べるお金ができるほどの安くなりました。
ちなみに、参考としてJR九州のネット予約部分を3日前まで予約するとさらに安くなる「早特3」を使用すると、さらにお得になりました。 「行こっか!こだま」の特典である300円の商品券も活用すれば、ちょっとしたお土産を購入できる余裕があるほどお得になります。
また、広島市内の江波というところまで行く際に使用した「MOBIRY DAYS」を使えば、広電系の乗り物で割引が効きますので、広島によく行くような方には合わせて使うことをオススメします。
注意事項さえしっかりと理解し、うまく活用することでお得で快適な旅行ができますので、ぜひお試しを。
 

余談

あれ?帰りは?と思われた方へ
帰りのソニック号はQRチケレスを使いましたが、新幹線は旅行商品(QRコード)ではなくて普通に列車を予約してEX-ICを使って小倉まで帰りました。なので、書きませんでした。
理由は2つあって…
  • QRチケットがEX予約のメインではない
  • 単純に使いづらい
というところです。
エクスプレス予約のQRチケットは先述の内容を見て通り、あくまでも裏技でQRチケットにしているというだけです。
ちらっと書きましたが、実はQRチケットの乗車方とは別に今まで通りの登録したICカードで入出場するという方法も使え、そっちのほうが便利です。 わざわざアプリ開いて、注意事項を同意して、表示して、QRコードを読み取りさせようとしたら、ICカードのほうが反応してエラーが出て…となったので、やはり事前に設定したICカードを使ったほうがいいです。 また、使用可能な自動改札機も限定されていますし、そもそも普通の列車予約ではなく、列車+ホテルのような旅行商品でしかQRチケット発行してくれないため、予約でも普段の予約より手間がかかってしまうのがマイナスポイントです。
さらに言えば、「前日まで!」とか「こだま限定!」などと制限が多く課されている旅行商品「ぷらっとこだま」「行こっか!(バリ得)こだま」より通常の列車予約のほうが選択肢も広がりますし…(なんなら、S Work Pシートが選べるのでそれで帰ったし…)
 
その点、JR九州のチケットレスサービスは読み取り部分がICカードなどとは物理的に分けていたり、お得なきっぷの予約に関する制限はそこまでないので、これは新幹線のQRチケットとは違って便利いいです。